旅のノウハウ 文化編 part15 『永世中立国』

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戦争をしない平和な国『永世中立国』


という認識にはちょっと語弊があるかもしれません。


永世中立国の筆頭格といえば『スイス』です。真っ先に思い浮かぶ方も多いと思います。
そもそも永世中立国とは『将来多国間で発生した有事の際、自国はあくまで中立の立場を取ることを宣言していて、他国がその中立性を保障及び承認をしている国家』となります。


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スイスの美しい街並み①
スイスの美しい街並み②
スイスの美しい街並み③
スイスの美しい街並み④


これは『戦争をしない』という意味では決してありません。
あくまでも他国間の戦争には参加はしませんが、自国が攻撃された場合は(武力などを用いて)自国のみで解決を行うという意味を含みます。
共に戦う同盟国がない分、永世中立国は重武装の必要にせまられており、実際強力な軍隊を有している場合が多いです。

筆頭格の『スイス』も例外ではなく、高度で最新鋭の装備をした正規軍は世界的に見ても強力な軍事力を有します。

国民皆兵の概念のもと現在でも徴兵制を堅持し続けており、国から自動小銃と銃弾が支給されている多数の成人男子が予備役若しくは民兵として有事に備えています。
スイスの軍隊と合わせてその数は国民の10人に1人の割り合いに達します。

またスイスは銃の一大生産国であり、要塞化(岩山を刳り貫く等)された軍事基地が高密度で設けられて、
更に主な一般道には、小屋に擬装した鉄筋コンクリート製の防御陣地(ロシア語でточка :トーチュカ、英:Bunker、日本:特火点)が常設してあったりします。


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スイスの美しい街並み⑤


スイスでは過去に3回、軍隊の専門性を前提とした徴兵制廃止法案が国民投票されました。
が全て否決されています。
このことからも、国民1人1人に防衛意識が高いことが伺えます。

兵役は20~30歳男性が義務付けられており、流石に女性は任意です。
(補足:兵役は新兵・専門の訓練が終わった後でも予備役兵として20~42歳の22年間の間に3週間の再訓練を任意ではありますが10回行なうようになっています)

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更に驚くのは法律で全ての新築及び改築建物のシェルター設置が義務付けられていることです。
普及率はなんと100%!!!
(イスラエルも同様でに100%です。これは世界に2カ国のみでです。
他に普及率の高い国は2年前の統計でノルウェーで98%、アメリカで82%、ロシアで78%、イギリスで67%、シンガポールで54%と公表されています。

因みに日本は0.02%で世界最低水準です。アメリカの核の傘に入っていて平和(ボケ?)ということでしょうか )


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スイスの美しい街並み⑥
スイスの美しい街並み⑦
スイスの美しい街並み⑧
スイスの美しい街並み⑨


でもなぜスイスは『永世中立国』を宣言したのでしょうか

簡単に経緯を説明すると、、、

スイスは位置的にドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインと強国を含めた複数の国に囲まれています。
この地域は中世の頃より隣国で紛争が多く、その隣国からの要請もあって傭兵として各地を転戦しているものが多くいました。

アルプスを要する天然の要害でスイス傭兵は日々体力と経験を養われています。
その上、転戦の中で培われた言語力(現在公用語は地域によってイタリア語、ドイツ語、フランス語、ロマンシュ語の4ヶ国語)、地理地形の知識、戦闘技術、精神力etcを有した傭兵たちは他の国から恐れられる存在になっていきました。
その結果、スイスの傭兵を自国の味方に取り込めるか否かが勝敗を分ける大きな要因にもなる程になっていったのです。


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スイスの美しい街並み⑩
スイスの美しい街並み⑪
スイスの美しい街並み⑫
スイスの美しい街並み⑬


そうなると近隣諸国は敵国がスイスの傭兵を味方につけることを当然嫌がります。
できれば戦闘には参加してほしくはなく、隣国はスイスに中立の立場を求めるようになります。

その流れから、スイスは永世中立の立場を表明することが有効と考え、ナポレオン体制が崩壊した1815年に欧州列強が調印した『ウィーン条約』で認められ、今日に至ります。


私たちの生活に例えると、紛争をご近所のけんかとすれば、知り合いのお隣がけんかしているところで
自分だけいきなり「私関係ありません」と宣言しても、反感を買うだけで「お隣さんからも言ってよ」と嗾けられるようなものです。あまりにも口煩かったり、力が強いなど周りがけんかに参加してほしくない条件があってはじめて中立
が認められるのに似ていますね。


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スイスの美しい街並み⑭
スイスの美しい街並み⑮
スイスの美しい街並み⑯
スイスの美しい街並み⑰


『補足』
現在、世界で永世中立が認められているのはスイスの他には2ヶ国あります。
スイスと同じく隣国を囲まれたオーストリア(1955年承認) 、そしてトルクメニスタン(1995年国連総会にて承認)です。

国際的な承認はないものの自称永世中立を表明している国 は、
カンボジア(1992年の憲法で)、コスタリカ(1983年宣言で)、リヒテンシュタイン(1867年宣言)の3カ国です。

更にかつて永世中立国だった国は、
ベルギー(~1919年:ヴェルサイユ条約で廃止)、ルクセンブルク(1867~1948年:自国の憲法改正で廃止)、チベット(中華人民共和国からの侵攻で事実上の崩壊)の3ヶ国でした。







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