世界遺産 ケルン(Koln) part1 『魔術師コリネリウス・アグリッパ』

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未だ肌寒い日が続いていますが、冬の寒い時期は一年の内で夜景が一番映える時期だと感じてます。夜景と云うと昨年の欧州ドライブで忘れられない街があります。それはドイツは世界遺産の街ケルン(Koln)。このケルン出身の人物に中世ヨーロッパを代表する魔術師がいることを皆さんご存知でしょうか。今回はケルンの夜景と共に謎の魔術師コリネリウス・アグリッパを紹介します

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コリネリウス・アグリッパ(Heinrich Cornelius Agrippa von Nettesheim)は1486年にケルンに生まれたルネサンス期における中世ヨーロッパを代表する魔術師です
裕福な家庭で育ち高度な教育を受けることができたアグリッパは、ケルン大学で法律学や医学,哲学,各国語(8ヶ国語を習得したと云われています)など多くの学問を学び、その中でイタリア人の人文学者ピコ・デラ・ミランドラの思想に感化されカバラの研究を始めたと云われています

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【補足】
アグリッパ・フォン・ネッテスハイム(Agrippa von Nettesheim)を名乗った理由は、アグリッパがネッテスハイム家という貴族の血を引いていたからだとも、或いはケルンの創立者の名に因んだとも言われていますが、真相ははっきりとはしていません

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アグリッパはケルン大学を卒業すると、1501年に神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン一世の宮廷秘書官となった後密偵としてフランスへ渡り、更にそこでも多くの学者や研究者と出会い更に知識を広げていきました
1509年にはフランスのドール大学で教鞭を取り神学博士の学位を取得しますが、聖書学の講義を行った際にカバラ主義に寄った言説を支持してしまったが為、カトリックの権化ともいえるフランシスコ修道会の猛反発を受け、フランスを立ち去る羽目になります

そしてアグリッパは攻撃的で論争好きの性格であったため、この後も欧州のあちこちでトラブルを起こしてはその地を追い出され、1ヶ所に留まることができず各地を転々とする憂き目にあっています

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-トラブル例-
1518年、メスで弁護士となったアグリッパは魔女裁判で訴えられていた農奴の娘を弁護し無罪を勝ち取りましたが、法廷で審問官を論破したことで、審問官と審問官が属したドミニコ修道会から恨みをかい、家族共々メスから追い出されています。
後に戻ったケルンでは聖職者達と衝突したことで、故郷さえも追われています
再度渡ったフランスでは、故皇太后を批判したため投獄されています。


しかし各国を渡り歩く中で膨大な書物を読み、また多くの学者らと交流して得られた知識により、アグリッパは『オカルト哲学』を刊行するに至ります

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このオカルト哲学は「自然魔術」「儀式魔術」「数学的魔術」の3部構成で、(師と仰ぐオカルト学者のヨハンネス・トリテミウスから引き継いだ)カバラ魔術理論を基本とする百科全書的に魔術思想がまとめられていました
そしてこの魔術書はこれまで主流であったキリスト教的カバラのみに留まらず、ユダヤ教カバラやヘルメス思想そして数秘術をも取り込み当時の魔術書の集大成と云うべき内容でした

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このオカルト哲学の刊行によりアグリッパはオカルティズムの巨匠として、後の研究者らに多大な影響を与え熱烈な信望者を多く獲得します。しかし、度重なる投獄や流転の日々の影響からか1535年、フランスのグルノーブルで49歳という短い生涯を終えています。

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アグリッパの伝説は数多くありますが、中でも有名なものに死体操り伝説があります
ベルギーに住んでいた時に、アグリッパの家に下宿していた学生が書斎で開かれたままになっていた魔術書を興味本位で声に出して読んだところ、それは呪文となりなんと悪魔が召喚されてしまいました
その悪魔は『呼びだしたのはお前か。何が望みだ』と問いましたが、学生は恐怖のあまりその場に驚き立ちすくんでしまいました。それを見た悪魔はからかわれたと憤慨しその学生を絞殺してしまいます

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そこへ戻ったアグリッパは学生の死体を間の当たりにすると、自身に殺害の嫌疑がかかると思い、魔術を使って悪魔を再び呼び出し学生の死体を操って、町の広場まで歩かせその広場に倒しました。
顔色の悪い学生が倒れるのを見た人々は学生は急病で死んだのだと思い、アグリッパは嫌疑を免れることに成功しました

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この有名は話は後世の創作なのですが、当時魔術師としてのアグリッパの高い名声が故、伝説として語り継がれているのではないでしょうか

また、アグリッパは大きな黒犬を常に従えていたという逸話があり、これは数ある話の中でも共通して有名です。
そしてこの黒犬は実は悪魔の化身で、アグリッパの死の直前まで忠実につき従っていたと云われています








【参考文献】
株式会社 学研パブリッシング 『世界と日本の怪人物FILE』

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この記事へのコメント

ターコ
2010年03月14日 00:15
う~む、そんな人が居たのですね(@_@;) しかしどこまで本当なのでしょうか。。 黒いワンちゃんは悪魔の化身って、そんなバナナ~ 黒い猫ちゃんや黒いワンちゃんは、悪く思われちゃうのでしょうか。。(-"-;)
2010年03月14日 02:31
ターコさん
こんにちは。

コメントいつもありがとうございます。

まぁ中世の人の考え方ですからね。
それにアグリッパが故そのように見えたのだと思いますよ。
2010年03月14日 08:26
初めまして。私は鬱病と統合失調症で闘病中のシンと言います。生きている事がよく分からなくなりネットサーフィンをしているうちにたどり着きました。面白くて夜中に一気読みをしてしまいました。少し眠いです。私もブログを最近始めました。もしよろしければ相互リンクさせては頂けないでしょうか?お時間がある時に除いてやって頂ければ幸いです。

http://blog.livedoor.jp/dreamcatchshin-zibunsagashi/

基本的に闘病記ですが、病気は辛いですが日々をなるべく面白く生きてそれを記事にしたり、役立つ裏情報等もたまに書いてます。ご検討頂ければ幸いです。

応援クリックさせて頂いて帰らせて頂きます。
突然のコメントで失礼致しました。

失礼します。

シン
Sauerkraut
2010年04月03日 18:03
今日は! 
質の高い記事を書いていらっしゃいますね。
一つご案内です。
ケルンの大聖堂は世界遺産から2009年に外されましたよ、そしてドレスデンにいらっしゃるときも思い出してくださいね。同じくもう世界遺産ではありません。日本人には理解しがたいものですが、ケルンはドイツの第4都市、商業都市でメデイァの年です、人が今日生活を営んでいるし、大きな未来のある町です、そしてビルを建てましたが、ケルン市民や新聞社が景観を壊すと騒ぐと、今まで監督もしなかったUNISEFパリ(本部?)が、警告通知。しかし「世界遺産」をネタに食べていくのは(日本の)旅行社かもね。ドイツ人の感覚では、未来ある都市計画が大切です。どうぞ~世界遺産リストから外されたって、観光客はその前も沢山来ていたので、橋のほうから見る景観がケルンの全てではありません~。とユニセフとバイバイしたのです。ドレスデンも同様です。
2010年04月04日 13:52
Sauerkrautさん
こんにちは。
コメントありがとうございます。

確かにケルン大聖堂は高層ビル建設による景観問題で2004年に危機遺産リストに入りましたが、規制強化などの街の懸命な努力により、2006年に危機遺産から除外され、現在まで至っていると認識しています。

↓以下ユネスコ参照
http://whc.unesco.org/en/list/292/

ドレスデン・エルベ渓谷についてはおっしゃる様に、景観を損ねる橋建設の中止による最後通告を、街が拒否したため確かに世界遺産から除外されています。

↓以下ユネスコ参照
http://whc.unesco.org/en/list/1156/

認識が間違っていたらごめんなさい。
その時は記事の訂正をさせていただきますね。
2010年04月27日 17:57
大聖堂の夜景、本当にきれいですねぇ。
こんな写真をいつか撮りたいなぁ。
記事の内容も質が高くて興味をそそります。
こんな素晴らしい建造物を見ると、またヨーロッパに行きたいなぁと思います。
2010年06月06日 00:11
GAKUさん
こんにちは。

いつもコメントありがとうございます。
この大聖堂の夜景は本当に美しいです。
機会があれば是非行ってみて下さいね。

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